オレの洞察シリーズ
コーチングについて
2006年6月1日
フレンチオープン2回戦後の会見より
――ニック・ボロテリが先日の記事で、これまでずっと試合中に外から合図を送って選手をコーチングしてきたと明かした。コーチングは認められるべきだというのが彼の意見だが、選手が外からコーチングされているのに気づいたことはあるか。コーチングは認められるべきだと思うか。
「コーチングは認められるべきではないと思う。だって、それがテニスのすばらしいところじゃないか。いったんコートに出たら、あとは自分で相手を倒すのに必要なことをやる、その方法を見つけだすっていうのがさ。これまでにも、コートに立ったときに相手に勝つ方法を自分で見いだせるって理由で勝ってきた選手がたくさんいる。それがテニスの大きな魅力の一つだと思う」
「だから、そういういいところを変えるべきじゃないと思う。合図に関して言えば、たしかにコーチが外からちょっとした合図とかを送ってるなってわかったことは、前に何回かあった。それについては、もうしょうがない。結局、いくら合図があったって、それを実践しなきゃならないのは選手だし」
「そりゃまあ、外からの助けがあれば、いくらか有利にはなる。コーチは試合を別の視点から見てるわけだから。僕だってスタンドから他の選手のプレーを見てるときはそうだけど、実際にコートに立ってるときにはわからないものが、外から見るとよくわかるってのは、たしかにあるよ」
ラインジャッジのビデオ判定について
2006年3月25日
マイアミ2回戦後の会見より
――この試合でチャレンジを使おうと思ったことはあったか。
「ない。こっち側には明らかな間違いとか、怪しいコールとかは、なかったから」
――これを使える権利があることには賛成か。
「どうかな。多少は利点になるかとは思う」
――どんなふうに。
「うーん、とくにセットの終盤とか、観客はやっぱり見てみたいと思うだろうし。選手も、いちかばちかで、やってみたくはなるだろう。たとえ自分が間違ってるって最初から思ってたとしても。だから、結局は意味のない、ただのパフォーマンスだけになっちゃう可能性もあるね」
――これで主審との揉め事が減るだろうか。
「そんなことはないと思う。ただ、主審はだいぶこれに頼るようになるんじゃないか。それで問題なのは、主審がオーバールールをしなくなっちゃうことだ。選手としては、向こう側のボールを判断するのは難しい。ベースラインに乗ったのか、わずかに外れたのか、まず判断できない。で、主審なら明らかにそれがわかるわけだから、オーバールールが必要ならオーバールールする。今後、主審がそれをやってくれるかどうかは疑わしいと思う。たぶん安全策をとるようになると思うし、それはあまりいいことだとは思わない」2006年6月17日
クイーンズ準決勝後の会見より
――ラインコールにホークアイなどの電子技術を使うことについてどう思うか。
「なんとも言えないな。とりあえず、これはいいシステムだからずっとこれを使おう、っていうふうに思ったことはない。導入が発表されたときから、まあ、ちょっとどうかな、って感じではあるね。たしかフェデラーとか、何人かの選手も大歓迎はしてなかったよね。マイアミでの個人的な経験から言えば、無意味なパフォーマンスのように思うことが何度かあったし」
「まあ、選手は試合中いろんな場面でこれを利用するんじゃないかな。これが観客をもっと引き込むことになるってのはわかるし、それならそれで、いいことだよ。ただ、テニスというゲームにこれまであったものをなくすべきではないと思うし、へんに余興みたいなものに行きすぎるのもどうかと思うね」
「自信」について
2006年6月1日
フレンチオープン2回戦後の会見より
――選手はよく自信のことを口にするが、それがどういうものかを実際に定義してくれる人はあまりいない。これをちょっと説明してみてもらえないだろうか。コート上で自信があるというのはどういうことなんだろう。それとも自信がないときについて言うほうが、自信とは何ぞやについて説明しやすいだろうか。
「自信というのは、コートに立ったときに、あまりあれこれ考える必要がないことだと思う。コート上で自分が何をすればいいかを、つねにわかっている状態。とくにプレッシャーがかかってる、きつい場面で。ほとんどすべてが自動的にできる状態っていうか。ここ数年のロジャー・フェデラーが、まさにそれだね。大事なポイントなどでは、それが選手を支えてくれるんだと思う」
「自信を得るには、いいプレーをして、本番の大事な試合のときにそれを出せるようにするしかない。だから、逆に自信のないときというのは、たぶん考えることも多くなるし、ちょっと無理なこともしなくちゃならなくなる。自信があるときは、ただ自然にやってるだけでうまくいくし、余裕も生まれるんだけどね」
2005年6月10日
THE STELLA ARTOIS CHAMPIONSHIPS
LONDON, ENGLAND
Quarter Final
I. KARLOVIC/L. Hewitt 7-6, 6-3
――この結果が2年前のウィンブルドンを思い出させたかと聞かれて。
「いや、べつに。だって今回は1セットも取ってないもん」
原文(インタビュー全文)
2005年1月7日
「ヒューイット、新恋人について語る」
Hewitt speaks about new love
By Jaime Morgan
January 7, 2005
(アデレード2回戦後のインタビューで)
――スタンドで応援していたベック・カートライトについて。
「彼女はあんまりテニスの試合を見たことないからね、今日は(1回戦のような)スロースタートじゃなくてよかった」
「彼女がどれだけテニスのことを知ってるのか知らないけど、とりあえず勝ち試合を見せられたから満足だよ」
――昨年10月のキムとの別れについて。
「あのときは自分でも本当に精神的に強かったと思う」
「テニスでもプライベートでも、状況にしっかり対処できたっていうか、それが必要なことだと思ったのでね」
――というわけで、"new love"についても、キムとの破局についても、何も語ってないに等しいです。
原文
2004年9月18日
ヒューイット、ホームスラムでの躍進を狙う
Hewitt eyes home slam breakthrough
Leo Schlink
18sep04
久々に世界のトップ3に復帰した直後の昨日、レイトン・ヒューイットは早くも2005年の全豪オープンに目標を定めていると語った。
全米オープン決勝戦でロジャー・フェデラーに完敗したあと、世界ランクを19位から3位にまで上げたこの復活のシーズンの残りをどうするか、ヒューイットはまだ決めていない。
だが、彼はすでに来年の全豪オープン(1月17−30日)に向けて発進している。来年の全豪は、シングルス決勝戦が初めてナイトセッションで行なわれる歴史的な大会となる。
「今年はもうずいぶんたくさん大会に出たからね」とヒューイットは昨日アデレードで語った。
「あとどのくらい試合に出るかはまだ決めてない。11月のマスターズ(ヒューストンでの最終戦)の出場は確定したけど、その前のスケジュールはまだわからない」
「このあと東京の大会(10月4−10日)に出る予定で、マスターズへの出場も決まった。安定したいい年だったけど、いちばん大事だったのは四つのメジャーだったからね」
「年末ナンバー1はもうありえないとなれば、あとはマスターズに行って楽しんでこられるよ。2000年や2001年と違ってね。あのときはランキング1位のプレッシャーがかかってたから」
「今年も自分にとって重要な大会だってことには違いないけど、前よりはずっと楽しめると思うんだ」
「最終的には、いまの目標は1月の全豪オープンだから。そこでいい結果を出したいね」
マーク・エドモンドソン(1976年)以来、地元選手が全豪オープンを優勝した例はない。ヒューイット自身、メルボルン・パークではまだ一度も準々決勝まで達せずにいる。
ヒューイットのグランドスラムでの最高成績は――全英と全米で優勝、全仏でも準々決勝進出――いずれも外国でのものだ。
今年73戦59勝、4つのツアータイトル、賞金280万ドルという結果を残しているヒューイットは、75週にわたって1位の座にいたときよりずっと進歩したと感じているという。
「いい年だったよ」とヒューイット。
「とても安定してたし、前よりずっと進歩したと思う」
「デビスカップ決勝の前に8週間の休みをとったのが本当によかったと思う。あれで鋭気を養えたし、本当にいい基盤を作れた。あれ以来、毎週ずっといいテニスができてる」
現在715ポイント差でアンディ・ロディックを追っている――そして防衛するポイントがない――ヒューイットは、今季の終わりまでに2位に上がる可能性もある。
キム・クライシュテルスと結婚する2月に1ヶ月の休みをとるほかは、来年もメジャーとデビスカップに焦点をあわせていくという。
当面は、オーストラリアがデビスカップのワールドグループに残れるようにパースで行なわれるモロッコとの入れ替え戦に全力を尽くすことになる。
そのヒューイットを後押しするかのように、昨日サウスオーストラリア州最高裁は彼の対ATP訴訟を認める予備判決を出した。ヒューイットは、2002年のシンシナティ大会でインタビュー義務を果たさなかったという理由で課された14万7000ドルの罰金をめぐってATPに訴訟を起こしている。
マリガン判事は昨日、ヒューイットの申し立ての一部を削除するようにとのATPの申請を却下した。
これにより、ヒューイットは四大大会以外の男子ツアーを運営するATPに対して名誉毀損の訴えを継続できることとなった。
2004年9月14日
Hewitt ready to fire in Davis Cup
Tuesday September 14, 01:46 PM
デビスカップのために闘志を燃やすことはレイトン・ヒューイットにとって問題とはならない。
今週の全米オープンの決勝でフェデラーにストレートセットで撃沈されたヒューイットだが、すでに彼の心は2005年のデビスカップで自国を優勝に導くことに向けられている。
その道のりは、来週パースのロイヤル・キングス・パークのグラスコートで行なわれるモロッコとのワールドグループ入れ替え戦から始まる。
オーストラリアは2003年の優勝国だが、今年2月の1回戦でスウェーデンに4−1で敗れたため、2005年もワールドグループで戦うためにはこの入れ替え戦に勝たなければならない。
オーストラリアチームのコーチ、ウォーリー・マスーによれば、世界ランク3位となったヒューイットはすぐにもそれに向けて気合を入れるはずだという。
「彼がデビスカップで戦うことにどんなに燃えるか、いまさら言うまでもないだろう」とマスーは火曜日にコメントした。
「それはリップサービスや世間向けの自己宣伝じゃない。彼は100パーセント本気で言ってる」
「それが他のチームメンバーに伝わっていくんだ」
グランドスラムの決勝戦で、史上まれに見る一方的な試合の敗者となったことから立ち直るのに困難を感じる選手は少なくない、とマスーは言う。
だが、ヒューイットは違う。
「レイトンはリアリストだ」とマスー。
「たしかに落ち込んだだろう――それはもちろんだ」
「(しかし)彼はわかってる。その日、自分より強かった相手に敗れたのだということを。あの日のフェデラーはほとんど太刀打ち不可能だった」
よく見れば、ヒューイットの心理的な回復力は、最初の8ゲームを連続で落としたあとに初めてゲームを取ったときに表れていた。
「彼は6−0、2−0で負けていたところで1ゲームを取った。ふつう、多くの選手はそういう状況にあったとき、両腕を突き上げて自虐的なガッツポーズをするだろう。『やっと1ゲーム取ったぞ』とね。緊張が解けて笑いを誘う瞬間さ」
しかしヒューイットはそんなことはしない。彼は淡々と自分のチェアに戻った。次の8ゲームを連続で奪うつもりであるかのように。
「ふだんどおりだった。彼はあの状況でも自分を勝者だと思っていた。彼はつねに自分を勝者だと思っている」とマスーは言う。
「レイトンは挑戦するのが好きだ。彼に限界を設けちゃいけない。なぜなら彼はつねに限界を突破しつづけているから」
オーストラリアチームは火曜日、マーク・フィリポーシスの欠場を受けて、20歳のトッド・リードを新メンバーに指名した。
オーストラリア・テニス協会は、フィリポーシスが臀部筋肉の怪我により出場できなくなったと発表した。フィリポーシスは全米オープン1回戦の第5セットでそこを傷め、試合を棄権している。
フィリポーシスは1999年と2003年のオーストラリアのデビスカップ優勝に大きく貢献したが、今年は成績が振るわず12大会で初戦敗退、世界ランクを74位まで落としている。
現在はロサンゼルスに戻って練習と治療を続けており、できればクリスマス前に米国内の三つの大会に出場したいとの考えだ。
「2005年には絶対に戻ってくると言ってくれている」とマスー。
マスーによれば、世界ランク107位のリードがシングルスに出る可能性もあるが、現段階では84位のウェイン・アーサーズがヒューイットに続いてオーストラリアの2番手シングルスを務める見込みが高いという。
ダブルスにはアーサーズとトッド・ウッドブリッジのペアが予定されている。
2004年9月7日
'I never wanted to be a spaceman'
September 7, 2004
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レイトン・ヒューイットは宇宙飛行士になることを一度も考えたことがないそうだ。
なぜわかったか? 土曜の夜、全米オープンの試合後の記者会見が終わりかけたとき、まさにその珍妙な質問が出されたからである。
「あなたの好きなSF映画は何ですか? その理由も教えてください」と、あるアメリカ人記者が聞いた。ヒューイットは面食らった顔で、ちらりと質問者のほうを見た。「何のこと?」と彼は聞いた。「あなた、違う記者会見に来ちゃったんじゃないの」
「ニッケルオデオン誌の取材です。セレブリティのページがあるので。2月号で宇宙特集をやるんです」と、その女性記者は答えた。
「そうなんだ。SF映画はあんまり見ないな」とヒューイットは答えた。
「宇宙飛行士になろうと思ったことはありますか?」と記者。
ヒューイットの答えは「ないね」。
――AAP(オーストラリアAP通信)